ジタバタOLのすべて

人生は常にジタバタしている。我ながら文章の才能本当にある。モノカキの依頼はいつでもTwitterでウェルカムです。

私の、失踪した脳内の想い人。

鈴虫が今日も愛のセレナーデを奏でていますね。

 

こんばんは、ジタバタOLです。

 

ナウシカほどじゃないけど、まぁまぁ虫愛でる姫なので

姿が見えないのにりりりと虫の音が聞こえると

「ああ、いるのね。どこかにいるのね!」とちょっと浮足立ちます。

 

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私は社交的な根暗なんですけれども、

とにかく「ヒト」には興味津々なもんだから

細ーい縁を手繰り寄せて手繰り寄せて、細く長く付き合ってる人がままいて

そんな中でも、ふつり、と糸が切れてしまった彼を忘れることができない。

 

前もこの話書いたことあったかな。あったかもしれないけど、定期的に思い出すから今日も書いちゃう。

 

彼と出会ったのは6年前の青山のクラブだった。

GWだったのに、彼は分厚い長袖を着ていて

一緒に来た彼の友人は酔いつぶれてカウンターで寝こけていた。

 

露出激しいクラブで彼は目立っていた。

暑そうだった。

実際、かなり厚手の服を着ていた。

 

彼から話しかけられたような気がするが、詳しいことは覚えていない。

 

ひとまず、話したのは

 

彼が宮大工だということ。

(でも宮大工の伝統にのっとりすぎる悪習を嫌悪していた。)

 

アラブ首長国連邦に子どものころいたこと。

 

実はかなり高学歴だということ。

 

姫路に住んでいること。

 

大工という職業が日本では非常に地位が低いが、ドイツでは職人として高い地位にあること。

 

だったと思う。

 

 

もう楽しすぎて「こんな人であったことない!」と思って

 

彼が開設したばかりのFacebookの友達申請をして

彼の10番目の友達になったんだったような気がする。

 

 

 

それから3年ほどたって、私は転勤先でGWを一人で過ごしていて

 

「あ、姫路城いきたい。色塗りなおしたし。」と思った。

 

その時、彼を思い出した。

連絡を取り、私たちは3年ぶり2度目の再会を果たした。

 

1泊2日の弾丸旅行で神戸・姫路を観光し、

彼はその旅程のすべてにつきあってくれた。

 

「よく来たね。」と言われた。

 

いろんな話をした。

彼は相変わらず素敵だった。

 

言葉が大変機知に富んでいたし、独特だった。

 

私たちは深夜の爆音のジャズ喫茶で筆談をした。

 

とても楽しい夜だった。

 

 

それから、私はまた転勤先にもどり、数年後東京に帰京した。

 

 

私たちはその後一度も会っていない。

 

しばらく連絡を取り合っていた。

しかも「元気?」とかそういう類の話ではなく

森鴎外高瀬舟を読んで衝撃を受けた」みたいな話がいきなり送られてきたり

それに対してアプリで高瀬舟を落として一晩で読んで、返信したりしていた。

 

彼は、唯一無二であった。

 

ところが、ある時メールが不通になってしまったのだ。

彼はLINEをしていなかったので、SMSを送るもなしのつぶて。

唯一の手段である、メッセンジャーで連絡を取っても既読スルー。

 

 

結婚したのかもしれないし、何か嫌われるようなことをしたのかもしれない。

なんの理由もなく、ふつり、と切れてしまったのは大変悲しく動揺した。

 

私はことあるごとに、二度しか会ったことのない彼を思い出す。

 

夏にローズヒップティーを飲んでいる話を聞いたなぁ、とか。

 

修築中の寺社仏閣を見たときとか。

 

元気かなぁ、と思う。

 

彼の感性はいまも彼のままで彼の中に息づいているだろうか、と思う。

 

また会いたいなと思っている。

 

 

彼と私は恋人ですらなく、

もしかしたら彼にとっては友人ですらなかったのかもしれない。

 

それでも、彼は私の想い人である。

 

恋い焦がれているのとはちょっと違うけど

連絡が取れなくなってから、思い出さない年はない。

 

季節が巡ることに、彼の目に映る季節はどう見えたんだろうと想像してしまう。

 

2度しか会ったことがないけど、

3年ぶり2度目が果たせたから、一生の友達になれると思っていた。

 

何が悪かったのかなと自問自答する。

脳内の想い人からの返答はないけれど。

 

いつか、彼の気が向いて、私と話したい・会いたいと思ってくれたらいいなと思う。

 

私が友達に会うために旅をした、はじめての人だった。

 

彼は、私のもとから失踪したが

そのことで、より私の脳内に巣食った。

 

忘れられない。